ここ最近、本業が忙しく更新できなかったのでお久しぶりの更新になります。
最近、ブログへの流入経路を見ると「仮想通貨 リバランス」で検索をかけて以下の記事にたどり着いている方が急増しています。
2021年末に1000万円をつけると予想されているビットコインですが、ここ最近値動きが上下を繰り返しているので安定志向でリバランス戦略を考えている方が多いのかもしれません。
そこで、今回はこのリバランス戦略について考察を行います。
テーマは「リバランス戦略で利益を最大化するには、取引回数と値幅のどちらを取っていくべきなのか」です。
何のことかさっぱりわからないかもしれませんが、以下から詳細に説明するのでご安心を。
では早速いきましょう!
1、仮想通貨のリバランス戦略とは?
別名、シャノンの悪魔とも言われている本戦略。
詳細については以下の記事を読んでいただければ幸いです。
簡単に復習すると、現金と仮想通貨のバランスを常に1:1に保つのがリバランス戦略です。
1、ビットコインの評価額が1BTC=100万円の時に運用開始
➡︎ 元手の資金100万円のうち、半分の50万円でビットコインを購入、つまり0.5BTC分のビットコインを購入することで現金とビットコイン評価額が同じになります。
図にするとこんな感じ。
これで現金とビットコイン評価額が同じになります。
2、その後ビットコインの評価額が1BTC=50万円に下落
運用開始後、残念ながらビットコインの価値が1BTC=50万円まで下落してしまいました。
今現在持っている0.5BTC分のビットコイン評価額は$$0.5*50=25$$万円になってしまいます。
図にするとこんな感じ。
すると、現金50万円に対し、ビットコインの評価額が25万円しかないため、現金とビットコインの評価額が釣り合っていません。そこでリバランスを行います。
現金とビットコイン評価額の差は25万円なので、その半分の12.5万円分のビットコイン(0.25BTC)を購入します。
すると、現金とビットコイン評価額が37.5万円で釣り合います。
3、その後ビットコインの評価額が1BTC=100万円に回復
嬉しいことにビットコインは1BTC=100万円まで復活しました。
すると、先ほどとは逆のことが起こり、今度はビットコイン評価額が高くなるため現金が相対的に少なくなります。
今現在、0.75BTC持っているのでビットコイン評価額は$$0.75*100=75$$万円となります。
そのため、0.1875BTCを売り払い現金化します。
すると、あら不思議もともと100万円で始めたにも関わらず資産が112.5万円に増えているではないか!
この間、リバランスをしなければ100万円のままだったものが、リバランスをすることで資産が増えています。
このような戦略のことをリバランス戦略と言います。
ただし、この運用も無敵ではなく一方的に上昇が続いていく相場の場合、コツコツ利確をしてしまうため利益を最大化できないというお話もしました。
代わりに仮想通貨が暴落した際には下落幅を抑えることができる戦略なので、どちらかというと仮想通貨を安定して運用したい場合に向いていると思います。
2、発案者は本戦略を使用したのか?
では、この戦略は誰が発案して、その人がこの戦略を使用したのか気になりますよね。
結論から言えば、発案者はこの戦略は使用しませんでした。いったいなぜでしょうか?
その辺りについてざっくり解説します。
(1)リバランス戦略の発案者
このリバランス戦略は、クロード・シャノンというアメリカの数学者により発案されたそうです。
冒頭で本戦略が「シャノンの悪魔」と呼ばれているという話をしましたが、シャノンとはこの数学者の名前から来ています。
彼は前提として株式などの値動きがランダムウォーク理論(値動きが上下どちらかに動く確率は五分五分であり予測ができない)に基づいているとするならば、本戦略が有効であると考えたようです。
詳細は以下の本に書いてあるようです。(私も読んだことはないです)
(2)発案者はなぜ本戦略を使用しなかったのか
では、なぜシャノンは本戦略を使用しなかったのでしょうか。
先ほど紹介した本の中で語っているようですが、どうやら「リバランス時に売買手数料がかかるため儲からない」と判断したようです。
3、現代の仮想通貨取引所の手数料は?
では、ここで現代に戻って考えてみましょう。
ここ最近、仮想通貨の取引所で指値注文をした場合は手数料がもらえる取引所が増えてきています。これらは、メイカー手数料と呼ばれています。(指値注文のことをMakerと呼ぶため)
仮想通貨や為替、株の注文方法には大きく「成行注文(Taker)」と「指値注文(Maker)」がありますが、指値注文とは、「いくらになったら買うよ(売るよ)」という注文を板に並べる注文方法です。
成行注文、指値注文解説については本題ではないので割愛しますが、詳細を知りたい方は以下のGMOコインの解説サイトがわかりやすいです。
この手数料は、注文した額の0.01%程度であることが多いです。
つまり、シャノンがリバランス戦略を使用しなかった理由である手数料の問題を克服できるどころか、貰えてしまうのです。
では、このメイカー手数料を多く貰うことができればより有利に戦えそうではないですか?
そして、この手数料を多くもらうためには取引回数を増やすことが必要になります。
4、リバランス戦略の特徴について整理
では初めに、リバランス戦略の特徴について整理しておきましょう。
(1)リバランスする値幅が大きいほど利益を取れる
まず一つ目ですが、リバランスする値幅が大きいほど戻ってきたときの利益を大きく取れます。
では実際に例を見てみましょう。今回も元手の100万円をビットコイン価格が100万円のときからリバランスする例を挙げます。
【リバランスする値幅が50%の時】
まずは元の値段からBTC価格が50%価格が下落した際にリバランスし、再度価格が戻ってきた場合を考えます。
下にBTCの価格が変動した際の資産状況について表をつけています。
BTCの価格が50%になった時にリバランスをした場合100万円が112.5万円になっています。
【リバランスする値幅が25%の時】
では続いて、元の値段からBTC価格が25%価格が下落した際にリバランスして、再度戻ってきた場合を考えます。するとこうなります。
BTCの価格が25%下落、上昇した時にリバランスをした場合100万円が106.3万円になっています。
つまり、50%でリバランスした時より利益が減っていることから、リバランスする値幅は大きい方が利益が取れそうです。
(2)レンジ相場の場合は、値幅が小さい方が利益が取れる
では、続いてレンジ相場の場合を考えます。レンジ相場とは、ある範囲の値動きを上下に繰り返す相場のことです。
下図を見ていただくとわかりますが、先ほどと違って、100%→75%→100%を行ったり来たりしています。
この場合、50%でリバランスするように設定した場合は一度もリバランスを実施しないため、100万円は100万円のままです。
対して、25%でリバランスする場合はどうでしょうか。
【リバランスする値幅が25%の時】
100万円が106.4万円になっていますね。
つまり、レンジ相場の場合は値幅が小さい方が利益を増やせるということがわかります。
(3)値幅が小さい方が取引回数が増える
先ほどの例でもわかるように50%と25%でリバランスする場合を考えると25%でリバランスする場合の方が取引回数が増えます。
そして取引手数料は取引回数が多い方がたくさん貰えることから、メイカー手数料収入が増えそうな気がしますね。
5、まとめ
ということで、今回はリバランス戦略について整理しました。
1、リバランス戦略を発案者が使用しなかったのは手数料がかかるから
2、仮想通貨取引所では、指値で注文すれば手数料が貰える体系になっている
3、リバランス戦略は、基本的にリバランスする値幅が大きい方が利益が取れる。ただし、レンジ相場の場合は値幅が小さい方が良い。また、取引回数は値幅が小さい方が多くなる。(手数料収入が増えそう)
では、次回はビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュの過去の値動きをもとにPythonを使用して検証してみましょう!
ではまた。
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