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【取引回数 vs 値幅】仮想通貨のリバランス戦略について考察する(その2)

makoto
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こんにちは!makoto(@Makoto_beginner)です。今回は、前回の記事の続きでPythonを使用して検証を行うよ!

では、前回に引き続いて今回はいよいよ検証を行います。

前回の記事を読んでいない方はそちらを先にお読みいただくとより理解が深まると思います。

前回、リバランス戦略について以下のような特徴があることを説明しました。

1、リバランスする値幅は大きい方が利益が大きくなる

2、レンジ相場に限ってはリバランスする値幅は小さい方が良い

3、値幅を小さくした方が取引回数が増える

では、手数料収入を得るために取引回数を増やした方がいい(言い換えれば、リバランスする値幅を小さくする)のか、より多くの値幅を取るためにリバランスする値幅が大きい方が良いのかどちらでしょうか。

過去の仮想通貨の値動きをもとに検証しましょう。

では早速見ていきましょう!

1、検証内容

今回はPythonを使用して検証を行いました。

今回は、以下の条件で検証を行いました。

検証条件

1、手数料は0%から0.075%まで0.01%刻みで変化

2、リバランスする値幅は現在の価格を基準として1%から30%まで変化

そして、これらを総当たりで調べていきます。

イメージとしては、

[手数料0%、リバランスする値幅1%]、[手数料0%、リバランスする値幅2%]、[手数料0%、リバランスする値幅3%]・・・

・・・[手数料0.075%、リバランスする値幅28%]、[手数料0.075%、リバランスする値幅29%]、[手数料0.075%、リバランスする値幅30%]

までの、75×30 = 2250通りの損益パターンを算出します。

そしてこれらを初期投資額で割ったリターン率(%) のヒートマップを作成することで、リバランスを行うにはどの値幅が最適なのかを検証したいと思います。

以下の2項は検証までにどのようなことをやったのか詳細に記述していきますので、結果だけ知りたい方は3項まで飛ばしてもらって構いません。

2、早速検証開始!

まずは、ビットコインの値動きデータをもとにリバランスを実施するプログラムをPythonで書く必要があります。

今回、ビットコインの値動きのデータは2018年11月から2021年9月現在のもので、TradingViewのチャートデータのインポート機能を使用してcsv形式にて出力したものを使用しました。

そのデータをPython のcsvライブラリを使用して読み込み、扱いやすいようにnumpy配列にして取り出しました。あとは、値動きデータを一つ取り出すごとにリバランスの条件に合致している場合はリバランスを実施し、その際の現金保有額とアルトコイン保有額を書き換えてリバランスを実施する仕組みとしました。(すみません、この辺について詳細に知りたい人はいないと思いますので、図もなく適当な解説となりました。もし気になる方が居ればTwitter(@Makoto_beginner)までご連絡ください。)

早速、ビットコインの30分足データをもとにリバランスを実施してグラフを出力しました。横軸が時間、縦軸が資産価格です。(1につき30分を意味しています)

赤線がガチホ(ビットコインを初期に購入して以後何もしない)、青線がリバランスの結果です。

いい感じにリバランスされていますね。やはり、ガチホと比較して急落や急騰の影響が限定的であるように見えます。

では、これでリバランス戦略のプログラム製作が完了したのでいよいよヒートマップを作成していきましょう。

3、気になる結果は・・・

では、早速ビットコインの結果について発表します。

気になる結果は・・・

このようになりました。横軸はリバランスする値幅、縦軸はメイカー手数料を表しています。また、右側にあるカラーバーに合わせて着色されているので、最大で540%(5.4倍)程度の成績であることがわかります。

この結果を見るとビットコインでは、リバランスする値幅は20%程度にするのが良さそうです。(今後も同じ相場が続くわけではないのでなんとも言えませんが)

また結果をもとに、こんなことが言えると思います。

(1)取引手数料の大小が与える影響は限定的

今回の検証は期間が数年という長期間であるということを前提に考えますが、意外にも取引手数料による収入が最終的な損益に与える影響が限定的であることがわかりました。

もう一度ヒートマップを見てみると、上端部分は手数料が0.001、下端部は0.075であるため上端から下端まで手数料による収益は75倍になっていますが、上端から下端まで色の変化がありません。どう見ても同じ色の棒が縦に綺麗に並んでいるように見えます。

ということは、同じメイカー手数料の取引所で取引をする場合、75倍多く取引をしても最終的な損益がほぼ変わらない可能性がありそうです。

このことから、さらに以下の仮説を立てました。

新たな仮説

取引手数料による収入は限定的であるため、取引回数を増やしても最終的な損益には影響がほとんどない

取引回数を増やすためには、リバランスする値幅を小さくする必要があるので、再度、リバランスする値幅と取引回数の関係についてヒートマップを作成しました。

すると以下の通りの結果になりました。

縦軸がリバランスする値幅%、色が取引回数を示しています。値幅が小さい時は6000回近く取引をしていますが、値幅が大きい時は1000回を下回っています。

先ほど、75倍多く取引を行っても最終的な損益に変化がなさそうだということを言いましたが、このことを考えるとこの差はわずか6倍程度なので、やはり取引回数を増やしたところで最終的な損益には大して影響がなさそうです。

そして、最後に「最終的なリターンに占める手数料収入の割合」の円グラフを作成しました。今回は、メイカー手数料は0.02%としました。

すると、このようになりました。

綺麗な日の丸です。なんという結果でしょうか。

実際は、手数料による収入は全体の収益の0.00000278%程度ありましたが、ほぼ0です。

つまり、ほとんどが値動きによる収益であり、取引手数料が占める割合はほぼ0という結果になりました。

取引回数を増やすためにはリバランスする値幅を小さくする必要がありますが、前回の記事でもお話しした通り、リバランスする値幅を小さくし過ぎると基本的には最終的な収益が落ち込みやすくなります。

このことから、

手数料収益を狙ってリバランスする値幅を小さくするのは合理的ではない

と言えると思います。

最後に、各仮想通貨の結果を見ていきましょう。

4、他の仮想通貨の結果

(1)イーサリアム:ETH(2019/01 – 2021/09)

(2)リップル:XRP(2019/04 – 2021/09)

(3)ライトコイン:LTC(2018/01 – 2021/09)

(4)ビットコインキャッシュ:BCH(2019/01 – 2021/09)

5、まとめ

ということで、今回のテーマ「リバランス戦略で利益を最大化するには、取引回数と値幅のどちらを取っていくべきなのか」については、

値幅を取っていくべきである

という結論となりました。

(手数料収入はほとんどないものと同じでしたね・・・)

おそらく、これは仮想通貨ならではのボラティリティが大きいことに起因しているのではないかと思います。ボラティリティが大きいからこそリバランス値幅を大きくしてより利益を獲得できることから、手数料収入が比にならないくらい小さくなるのではないでしょうか。

そのため、仮想通貨のボラティリティなどをある程度の範囲で予測して、リバランスする値幅をアクティブに変えたりする戦略なども面白いかもしれませんね。

皆様の面白いアイデアがあれば、ぜひTwitter等で教えてくださいね⭐︎

では、また次回の記事でお会いしましょう

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