今回の記事は前回の続きになるので読んでいない方はぜひ!
0、前回の記事のまとめ
こんにちは!makoto(@Makoto_beginner)です。前回の記事では仮想通貨の「現物取引」と「無期限先物取引」では全く異なる商品を取引していると説明した。
しかし「現物」と「無期限先物」の価格がバラバラで動くことはなく、多少の乖離はあれど価格は連動していることも説明した。
今回はなぜ全く別の商品なのに価格が連動するのかについて説明する。
1、そもそも価格の乖離が起こる理由
そもそも「現物」と「無期限先物」で価格の乖離が起こるのはなぜだろうか。
一言で言うと、
「現物市場」と「無期限先物市場」で需要が異なる
からだ。
基本的には現物よりも無期限先物が多く買われていれば、無期限先物の価格が現物価格より高くなり、無期限先物が多く売られていれば現物価格より安くなる。
また個人的には、無期限先物市場ではハイレバレッジを利かせ手元資金の100倍などで取引を行うことができ、現物取引よりも大量の売買が行われるため、価格変動が行き過ぎるのではないかと推定している。
そのため、価格の乖離を抑制する仕組みがなければどんどんこれらの価格が乖離してしまう。
それを防ぐための仕組みが今回の記事で取り上げる資金調達という仕組みだ。
2、「資金調達」とは一体なに?
資金調達とは、
「現物価格」と「無期限先物価格」の乖離を防ぐための仕組み
である。この仕組みがあることで現物価格と無期限先物価格の乖離が起きにくくなっている。
では具体的な仕組みはどのようなものなのだろうか。それは、
現物価格との価格乖離を増加させる方向のポジションを持っている人から手数料を調達し、乖離を縮小させる方向のポジションを持っている人には手数料が支払われることで価格乖離を抑えている
のである。
少しわかりにくいと思うので具体的な例について、現物価格と比較し
(1)無期限先物の価格が高い時
(2)無期限先物の価格が安い時
の2パターンで解説をする。
(1)無期限先物価格 > 現物価格のとき
無期限先物の価格が高いということは、無期限先物が多く買われていると言うことである。
つまり、現物価格との価格乖離を抑えるためには無期限先物を売ってもらう必要がある。
そのため買い(ロング)ポジションにペナルティを課し、売り(ショート)ポジションにリワードを課す必要があるため、
買い(ロング)ポジションを持っている人から手数料を徴収し売り(ショート)ポジションを持っている人に支払う
この結果、ロングポジションを持っているトレーダーが手数料の支払いを嫌がり、仕方なくポジションを売ってしまう(決済する)。
この結果、売りが増えることで価格乖離が小さくなる。
(2)無期限先物価格 < 現物価格のとき
無期限先物の価格が安いということは、無期限先物が多く売られていると言うことである。
つまり、現物との価格乖離を抑えるためには無期限先物を多く買ってもらう必要がある。
そのため、売り(ショート)ポジションにペナルティを課し、買い(ロング)ポジションにリワードを課す必要があるため、
売り(ショート)ポジションを持っている人から手数料を徴収し買い(ロング)ポジションを持っている人に支払う
この結果、ショートポジションを持っているトレーダーが手数料の支払いを嫌がり仕方なく買ってしまう。
この結果、買いが増えることで価格乖離が小さくなる。
以上が資金調達の仕組みだ。
また、この手数料の利率はファンディングレート(FR)や資金調達率と呼ばれるので覚えておこう。
3、実際のファンディングレートはどのくらい?
では、実際のファンディングレートはどのくらいなのだろうか。
今回は海外取引所の一つであるbybitを例に見てみよう。
bybitでは8時間に1度、資金調達が実施されこのページからファンディングレートの履歴を参照できる。
右端に資金調達率が掲載されている。
よく見ると、+とーが存在しているのがわかるが「+はロングから手数料を徴収してショートに払う」、「ーはショートから手数料を徴収してロングに払う」ことを意味している。
これを見て気づくと思うが、圧倒的にロングからショートに払う手数料が多い(つまり、プラスの手数料が多い)ことがわかる。
4、まとめ
「資金調達」とは、
「現物価格」と「無期限先物価格」の乖離を防ぐための仕組みである。
具体的には、
現物との価格乖離を増加させる方向のポジションを持っている人から手数料を調達し、乖離を縮小させる方向のポジションを持っている人には手数料が支払われる
ことで価格乖離を抑えている。
これで資金調達について理解できたと思う。
では本シリーズの最終回となる次回は、この手数料を美味しくいただく戦略「フルヘッジ戦略」について説明をする。
お楽しみに!
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