投資全般

(中編)【意外と知らない】投資で借金を負うことはない!?レバレッジと追証について

こんにちは!makoto(@Makoto_beginner)です。

今回は前回の記事の続きになる。前回の記事を読んでいない人は是非ともそちらを先に読んでほしい。

それでは、中編スタート!

1、前回の記事のあらすじ

前回の記事では、「レバレッジ取引」「証拠金」そして「レバレッジ取引のメリット・デメリット」を紹介した。

要約すると、レバレッジ取引は自分が口座に預けているお金(このお金を証拠金と言う)の何倍もの取引が可能な取引であった。また、レバレッジ取引を活用することで利益を大きくできる反面、損失もその分大きくなるということも前回の記事で解説済みだ。

疑問猫
疑問猫
でもさ、結局レバレッジをかけてても自分が買った時より安い値段で売らなければいいだけでしょ?やっぱり、借金なんて負うことはないように思えるんだけど。
makoto
makoto
そう思うのも無理はないね。しかし、レバレッジ取引には切っても切れない存在である「ロスカット」と「追証」と言う二つの重要な仕組みがあるんだ。
疑問猫
疑問猫
マスカット?おいしそう?
makoto
makoto
「ロスカット」と「おいしょう」だよ!また、これらを理解するためには「証拠金維持率」と言う言葉についても理解する必要があるから、今回はこれらについて説明することにするよ。
疑問猫
疑問猫
お願いします!!

ということで、今回の記事では、

・「ロスカットとは」

・「証拠金維持率」

の2つについて解説していく。

残る「追証」については後編の記事で解説を行う。

2、ロスカットとは?

ロスカットとは、

相場が不利な方向へ動いて口座の資金が不足した場合に、持っているポジションを強制的に決済されること

である。

多くの人が???となっているだろう。しかし、易しく説明するので安心して読み進めてほしい。

まず「ポジション」という言葉が初めて出てきたが簡単に説明すると未だ決済していない取引のことである。

ポジションとは?

ピンとこないかもしれないので、前回の記事でも出てきた例を元に説明する。

下の例では、投資家のBさんがレバレッジ取引にて”1$=100円で25000$”を購入し、”1$=110円で25000$”を売った場合を考える。

入時のレート : 1$  = 100円

Bさん → 10万円の証拠金で、25000$購入(250万円相当)

売却時のレート : 1$  = 110円

Bさん → 25000$を売却(275万円相当):275万円-250万円 = 25万円(利益)

FX等においては大抵の場合※1、上記の例ように購入後に売却(決済という)することで利益を得る。

つまり、購入した25000$は必ずいつか決済をする訳だが、未だ決済はしていない状態である。この25000$を保有している状態のことを「ポジションを持っている」という。

(※1:大抵の場合と書いたのは、FXにおいては金利差により発生する「スワップポイント」と呼ばれる配当のようなものを目的として買いまたは売りのポジションを持ったままで決済しないという手法があるからです。詳しくは別記事でまとめます。)

では、ロスカットとは?

そして、ロスカットとはこのポジションを持ったままの状態で不利な状況になった際に自分の意思とは関係なくポジションが強制的に決済されることをいう。

言葉だけでは難しいため、図を使って以下の①と②のケースを考えてみよう。

グラフの縦軸は、1$あたりの価格(円)、横軸は時間を表している。

そして、1$=100円の時にポジションを持ったとする。

①のケース(購入時より$の価格が上がった場合)

購入時よりも$の価格が上昇しているため、利益を出す方向に相場が動いているのがこのケースとなる。

今回の例では、Bさんは1$が110円になった際に決済しているが、今後まだ価格が上昇すると考えていれば、まだ決済せずにポジションを保有しておくことも可能である。

もし今後1$が120円になったとしてその時に決済すればBさんの目論見通り、より多くの利益を獲得できる。

②のケース(購入時より$の価格が下がった場合)

続いて、②のケースだ。購入時よりも$の価格が下落しているため、損失を出す方向に相場が動いているのがこのケースとなる。

日に日に下落する相場にBさんも頭を抱えることだろう。しかし、ふとこう言うことを思った。

「今後、また相場が戻ってきて1$が100円を超えた時に売れば利益が出せるんじゃないか!?だとするならば、このポジションはまだ決済せずに保有しておこう!」

しかし、そうはいかないのである。

この相場は損失が拡大する方向へ動いている。そのため、実質Bさんの資産が減少していることになる。

前回の記事の以下の例を思い出してみるとわかりやすい。

購入時のレート : 1$  = 100円

Bさん → 10万円の証拠金で、25000$購入(250万円相当)

売却時のレート : 1$  = 90円

Bさん → 25000$を売却(225万円相当):225万円-250万円 = -25万円(損失)

未だポジションを決済していないため、25万円の損失が確定したわけではないが実質、保有している資産としては25万円分減少していることになる。この様に、決済していないため確定していない損失のことを含み損と言い、逆に決済していないため確定していない利益のことを含み益と言う。

そしてこの含み損がある一定のラインを超えて大きくなると「ロスカット」が発動し強制的にポジションが決済されるのである。

例えば、1$=90円になるとロスカットが発動する場合であれば1$が90円になるとすべてのポジションが決済され損失が確定するわけだ。

このロスカットがあるがゆえ、相場の再上昇を期待してポジションを保有し続けることは不可能なのである。

これがロスカットである。

もちろん、ロスカットされる基準、今回の例で言えば90円だとしたが、これを下回らず相場が再上昇した場合は損失の確定を免れることができる。

ロスカットはなぜ存在するの?

ロスカットについて理解できれば次にこんな質問が来るだろう。なぜこんなルールが存在するのか?である。

ロスカットは投資家にとって敵の様に見えるが、実は投資家を保護するために設けられたルールなのである。やっていることとしては損失がそれ以上拡大しない様にするために、多少の損失は我慢してポジションを早めに決済するのである。

ポジションを決済していれば損失が拡大することもない。

極端であるが今回の例で言えば、仮に1$の価値が0円になった場合、Bさんの損失は2500万円になるが、ロスカットルールのおかげで25万円の損失で済んだわけだ。

ロスカット発動の基準は?

では、実際は損失がどの程度大きくなればロスカットが発動するのだろうか。

それには、「証拠金維持率」について理解する必要があるので次に解説する。

3、証拠金維持率とは?

証拠金維持率とは、口座の健全さを表す指標の様なもので以下の式にて計算される。

証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷  必要証拠金

そして、ロスカットはこの証拠金維持率がある基準を下回ると発動する。具体的な値は証券会社により違うが多くは証拠金維持率が50%か100%以下になるとロスカットが発動するようになっている。

では、この式で出てくる有効証拠金必要証拠金とはなんだろうか?

有効証拠金

そもそも証拠金とは、レバレッジ取引のために元手として入金したお金のことであった。

では有効証拠金とは何かというと、その名の通り「有効な証拠金」のことである。

仮に10万円を証拠金として入金した場合を考えると、有効証拠金は10万円となりそうな感じがするが実はそうではない。

有効証拠金を計算する式を以下に示す。

有効証拠金 = 入金した証拠金 + 含み益 or 含み損

つまり、有効証拠金とは入金した証拠金に含み益もしくは含み損を加味した評価額のことである。要するに、実際に保有している資産の評価額を表している。

仮に10万円を証拠金として入金した後、ポジションを持ち含み損が1万円になったとすると、有効証拠金は10万円-1万円で9万円となる。

必要証拠金

必要証拠金とはポジションを持つために必要となるお金のことである。

計算式は次の様になる。

必要証拠金 = 購入時のレート × 購入ロット ÷ レバレッジ

難しそうに見えるが実は簡単である。

例えば、1個100円のリンゴを10個買うにはいくら必要か?という問題は解けるだろうか。

これが解ければこの式も簡単に理解できる。

購入時のレートというのが買った時の値段、購入ロットというのが買う数、レバレッジは購入時のレバレッジだ。

仮に1$=100円の時に100$買いたいとするとレバレッジが1倍であれば必要証拠金は10000円となる。さらに、レバレッジ取引であれば元手資金がなくても多く購入できる仕組みであるため、仮にレバレッジが25倍であれば必要証拠金は400円となる。

いずれも上記の式で計算可能だ。

具体例

では、具体的に証拠金維持率を計算してみよう。

毎度同じく、レバレッジ25倍で1$=100円の時に25000$購入した場合を考える。

購入時のレート : 1$  = 100円

Bさん → 10万円の証拠金で、25000$購入(250万円相当)

購入した直後は価格の変動がなく含み益、含み損がないものとすると証拠金は以下の通り計算できる。

必要証拠金 → 100 × 25000 ÷ 25 =  100000

有効証拠金 →   100000 + 0(含み損・含み益がないため) = 100000

証拠金維持率 → 10000 ÷ 10000 = 100%

今回の例では、元手の10万円をすべて使うという前提があるため、証拠金維持率が100%となった。

では次に証拠金維持率50%以下になったにロスカットが発動するとして、1$がいくらになったらロスカットされるか計算してみた。

各自計算してみると良いが、約98円になった。そのため、今回の例では1$が98円になった時にロスカットが発動されることになる。

4、まとめ

1、ロスカットとは、相場が不利な方向へ動いて口座の資金が不足した場合に、持っているポジションを強制的に決済されること

2、ポジションとは未だ決済していない取引のこと

3、決済していないため確定していない損失や利益のことを含み益・含み損と言う。

4、証拠金維持率とは有効証拠金を必要証拠金で割った値のこと

5、有効証拠金とは入金した証拠金に含み益もしくは含み損を加味した評価額のこと

6、必要証拠金とはポジションを持つために必要となるお金のこと

7、ロスカットは証拠金維持率がある基準を下回ると発動する

今回は少しボリュームが多くなってしまったが、ゆっくりでいいので覚えておこう。

5、次回予告

疑問猫
疑問猫
今回もいろいろな言葉が出てきたね〜
makoto
makoto
少しボリュームが多いけど、FXや仮想通貨FXに興味がある場合は必ず必要となる知識だから必ずマスターしよう
疑問猫
疑問猫
でもさ、結局レバレッジをかけててもロスカットがあるおかげで大きな損失を防いでくれるんだよね?やっぱり借金なんて負うことないじゃん!
makoto
makoto
今回までに解説した知識だけではそう思うのも理解できる。しかし、次回の記事で解説する「追証」について理解すれば投資で借金を負ってしまう仕組みがわかるんだ。
疑問猫
疑問猫
次回、いよいよ最終回!お楽しみに!

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