こんにちは!makoto(@Makoto_beginner)です。最近プログラミング関連の記事ばっかりだったので久しぶりにお金の話を。
今回のシリーズでは最終的に「仮想通貨のフルヘッジ戦略」の説明をする。
0、今回のシリーズの目次
仮想通貨のフルヘッジ戦略を理解するためには、大きく以下の3つのことを理解する必要がある。
1、「現物取引」と「先物取引」は取引している商品が異なる
2、現物価格との乖離を抑える「資金調達」の仕組み
3、フルヘッジとは
第1回となる今回の記事では、「現物取引」と「先物取引」は取引している商品が違うという内容について説明する。
1、「現物取引」と「先物取引」の違い
仮想通貨でお金を稼ぐにはいくつか種類があって、代表的なものが「現物取引」と「仮想通貨FX」の二つだ。
「仮想通貨FX」はしばしば「無期限先物取引」と呼ばれるため、以後この名称で呼ぶことにする。
そして、この記事で伝えたい内容はただ一つ。
「現物取引」と「先物取引」は取引している商品が全く異なる
ということだ。
そもそも「現物取引」と「先物取引」について知らない人もいると思うのでそれぞれについて説明する。
(1)仮想通貨の現物取引について
まずは、現物取引。これは我々が一般的に想像する取引の形だ。
名前の通り現物を実際に売買する取引だ。
わかりやすく説明するために、仮想通貨ではなく金(ゴールド)の話に置き換えて話をしよう。
例えば今現在、金の価格が1kg=500万円だとする。この時にAさんは金を1kg購入した。
そして、金の価格が1kg=1000万円になったので、売却を考えている。「もし今売れば、500万円の利益を得ることができる!」。そう思った、Aさんは金を売ることで500万円の利益を得ることができた。
しかし、Aさんが仮に金を売らずに、手元の金塊を見てその綺麗な発色に見惚れてしまい指輪を作りたくなったとするとどうだろうか。
あたりまえだが、もちろんこんなことも可能である。なぜならAさんは実際に金の現物を買っているからだ。
これが現物取引である。
つまり、何が言いたいのかというと、
「現物取引」は現物を手元に手に入れる取引のこと。手元の現物はどんな用途に使っても良い!
ということだ。これは一般的にイメージしやすい取引だと思う。
仮想通貨でも全く同じで現物取引では実際に手元に仮想通貨を持つことになる。
だが、それを売却しなくても良い。
例えば、欲しい車が1BTCで売られていたとすると、手元にある1BTCを支払うことで車を購入することも可能なのである。
(2)仮想通貨の無期限先物取引について
では、無期限先物取引とはなんだろうか。ここでは、現物取引との違いを押さえて欲しい。
まずは、先物取引とは何かについて説明する。
①先物取引とは
先物取引とは、将来のある時点での契約を事前に結ぶ取引のことだ。
例えば、先ほどの金を購入したAさんの例を先物取引で考えてみよう。
現在、金1kgが500万円で取引されている。
そして、Aさんは3ヶ月に金1kgの価格が1000万円に上昇すると予想している。
そこで、Aさんは「3ヶ月後に金1kgを500万円で買います!」と言った。
すると、3ヶ月後の金の価格が100万円に下落すると予想しているBさんがいて、Aさんに対して「3ヶ月後に金1kgを500万円で売ります!」と言って、AさんとBさんが契約をする。
そして3ヶ月後Aさんの予想は当たり、めでたく金は1kg=1000万円になった。
Bさんは金1kgを泣く泣く500万円で売って、Aさんは手に入れた金をすぐに売却して500万円の利益を得ることができた。
これが先物取引のイメージだ。(厳密にはもう少し複雑である)
この例では3ヶ月後に契約を執行するということが決まっているが、仮想通貨ではこの取引期限がない無期限先物という仕組みが多く採用されている。これが無期限先物取引と呼ばれる取引だ。
そしてここから少し話を発展させる。
先ほどの例を見て賢い人はこう言ったことに気づくと思う。
「Aさんは金(ゴールド)が欲しいわけじゃなくてお金を稼ぐのが目的だから、実際に現物を売買せずとも金(ゴールド)を売買契約さえやっていればお金を稼ぐことができるのでは?」
そう、つまりAさんは金(ゴールド)でお金を稼ぎたいだけなので、金(ゴールド)を実際に手元にもたなくても買った・売ったの契約さえすればお金を稼ぐことができる。
実はこう言った仕組みのことを「差金決済取引」という。この差金決済取引は実際に現物を売買しているわけではなく契約をしているだけだ。これが現物取引との大きな違いだ。
現物取引とは違うので、例えばAさんが金で指輪を作りたくなっても手元に金を持ってはいないので作ることはできない。
また、現物取引との違いとしては、
「差金決済取引」では、必ず決済売買を行わなければならない
ということがある。
先ほどの現物取引では金を購入したが、結局指輪に変えてしまった。つまり、金を購入してはいるが売却してはいないのである。
しかし、この「差金決済取引」では必ず決済売買、つまり買ったら売って、売ったら買わなければならない。これが「現物取引」との違いだ。
そして、「差金決済取引」では基本的にレバレッジをかけたり空売りができるのが特徴だ。
空売りってなに?って人は以下の記事を参照してほしい。
2、「現物取引」と「無期限先物」は取引している商品が異なる!?
そして、一番重要な内容が
「現物取引」と「無期限先物」は取引している商品が全く異なる
ということである。
例えば、ビットコインの無期限先物取引を行なっていてもそれはビットコインではなくビットコイン先物を取引きしているのだ。
「ん?どういうこと?」と思うかもしれないが、つまりは「ビットコインの現物とビットコイン先物は全く別の商品である」ということだ。
手元にスマホがある人は確認してほしい。日本の代表的な仮想通貨取引所のbitFlyerでもビットコイン現物とビットコインFX(無期限先物)の価格が異なっているのがわかると思う。
本当に同じ商品であれば価格差は生まれないはずだ。
これは、例えるとすればコンビニに行ったら全く同じおにぎりが隣同士で100円と150円で販売されているようなものである。ほとんどの人が150円のおにぎりは買わないだろう。
しかし、実際に価格差がある。これはどういうことか、つまりはビットコイン現物とビットコインFX(無期限先物)では全く異なる商品を取引していることに他ならない。
3、取引している商品が異なるのに価格が連動しているのはなぜ?
では、それら2つは全く違う商品であるから、価格もバラバラに動いているのだろうか?
実はそうではない。価格差はあるものの「しっかりと連動して動いている」。実際に見てみよう。
以下のチャートは青線がビットコイン現物の価格、オレンジ線が海外取引所bybitのBTC無期限先物の価格を示している。
しっかり価格が連動しているのがわかると思う。
しかし、これは不思議なことではないだろうか。まったく別のものなのに価格がピタッと連動している。
実はこれにはあるトリックが存在している。
その仕組みのおかげで無期限先物の価格が現物価格と連動するようになっているのだ。
これについては次回の記事で解説する。
4、まとめ
1、現物取引とは現物を実際に売買する取引のこと
2、先物取引とは将来のある時点での契約を事前に結ぶ取引のこと
3、差金決済取引とは現物取引と違い、売買する契約だけを結ぶ取引のこと
4、「現物」と「無期限先物」は取引している商品が全く異なる
今回は「現物取引」と「無期限先物取引」の違いについて解説した。特に、4項の「現物」と「無期限先物」が全く違う商品を取引していることが一番重要なので覚えておいてほしい。
次回は、全く別の商品である現物価格と無期限先物価格が乖離しないようにする仕組みを解説する。
お楽しみに!
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